東京や大阪の最新の解体工事ってどんなもの?
最新の解体工事とは
建物の解体工事というと、あなたの頭の中にはどういった映像が思い浮かぶでしょうか。
おそらく多くの方は、大規模な爆破であっという間に建物をバラバラに破壊してしまうような方法や、大きな鉄球を吊り下げたクレーンでダイナミックに破壊する光景をイメージするでしょう。
これらはよくテレビ番組でも見かけるので、イメージに残っているという方が多いのだと思います。
しかし、それらの方法を実行するには、それに適した環境に建物がないといけません。
たとえば大阪や東京のようなビルや人が密集している環境においては、そんな方法を選ぶことはできません。
想像に難くないと思いますが、ビルの密集地で大規模な爆破をしたり鉄球を振り回すなんて、とてもじゃないですができる方法ではありません。
しかし、「ビルが密集しているので日本では解体工事ができません」ということでは困ります。現在ではバブル期の建築ラッシュで建てられた大量の建物が寿命を迎えつつあることもあり、解体工事がより必要とされている時期なのです。そのまま放っておくと、いずれは老朽化に伴う倒壊などの危険性もでてくるでしょう。ですので、それがいくら難しい工事であったとしても、日本にも解体工事は絶対に必要なのです。
日本においての解体工事とは
では、日本における解体工事、特に東京の高層ビルなどの解体工事はどのように行われているのでしょうか。
実は日本の解体工事は、かつての「技術大国日本」の名に恥じないような最新技術での解体工事が行われているのです。
その内のいくつかを簡単にご紹介したいと思います。
まずは、高層ビルの最上階の部分を防音パネル、防塵パネル、それに足場などで覆うことで移動式の解体工場を作り、それを徐々に下層に降ろしていくという方法があります。
解体するフロアをすっぽりと覆ってしまい、解体によってできたガレキなどは天井に設置してあるクレーンで降ろすことができます。
そのため外側への粉塵や騒音の問題が大幅に減少するのです。この移動式の解体工場は解体するビルのサイズとピッタリに設置されるため、ビルが密集しているような都心部での工事でも、問題なく作業を進めることができるのです。
さらにこの方法のすごいところは、クレーンの上下運動を利用して発電したり、太陽光発電を取り入れたりと、より省エネな解体工事を実現しているという点です。
周囲への影響を最小限に抑えつつ、省エネも実現する。
これはまさに、最先端のクリーンな解体工事だと言うことができるでしょう。
他には、ビルを適度な大きさに切り取ってしまってから地上付近にまで降ろし、そこで砕いていく方法があります。
実際に細かく解体する作業は地上付近で行われるため、粉塵などが外部に飛んでしまう恐れが非常に少なくなります。
また、解体作業中に起こると非常に恐ろしい地震ですが、この工法は建物を切断する手順や倒壊を防ぐための対策に工夫があり、地震が来ても倒壊しないという安全性を確保しています。
日本ではいつ大きな地震が起こるかわかりませんから、そこに対してもきちんと対策をとっているというのは安心できますよね。
また、この工法は非常に汎用性を持っているため、建物の構造や形状や立地にかかわらず解体工事ができるという点でも優れています。
デザイン的に奇抜なビルであっても、この工法なら解体可能だというわけですね。
ここまではビルの上部から解体していく工事を紹介しましたが、下層から解体していくという方法もあります。
まずはビルの一階部分にジャッキを設置することで全体を支え、そして下からまるでだるま落としのように解体していく方法です。
上からどんどんと解体するフロアがやってくるため、非常に効率的に解体工事を行うことができるのです。
他にも、ここでは紹介しきれなかった最新式の解体工事がたくさんあります。
爆破や鉄球だけでなく、解体工事は日々進化しているのです。
あなたも街中で解体中のビルを見かけたときは、その中でどんな作業が進められているのか、すこし想像してみるとおもしろいかもしれません。