解体工事は個人でもできるのか -東京解体工事個人編-
解体工事は個人でもできるのか
少し前に、「DIY」という言葉が大流行していたことがありました。ご存知の方も多いとは思いますが、DIYとは「Do It Yourself」の略称ですね。一昔前では「日曜大工」という言われ方もしていたようでしが、それよりももうちょっとオシャレなイメージがあるでしょうか。とにかく、「買ってきたり業者に注文するのではなく、自分で作ってみよう、やってみよう」というものでした。
しかし流行というものはいつかは終わり、忘れ去られてしまうもの……。と思いきや、DIYに限ってはどうやらそういうこともないらしく、本当に好きな人たちは、そのままDIYを楽しく続けられているようです。内容は人によってさまざまだと思いますが、中には素人とは思えないような小屋や庭を作られる方もいるようです。すごいですよね。
そしてそんなDIY精神からか、「解体工事も業者に依頼するのではなく、自分でやってしまおう」と考える人もいらっしゃるようです。確かに、テレビで見たことがあるような「重機で一思いに解体する」という方法であれば、なんとなく素人でもできそうな気がするかもしれません。しかし、実際にはどうなのでしょうか。そもそも、素人が勝手に解体工事をしてしまっても良いものなのでしょうか。
可能か不可能かの結論から言いますと、可能は可能です。というのも、もしも事業として解体工事を行う場合には国の許可が必要になってくるのですが、個人で住宅を解体するという場合には、そのような許可は必要ないとされているからです。そういう意味でいうならば、個人で解体工事を行うことは可能である、というわけです。
しかし、法律的に問題がないからといって、それがイコール個人でもできるということにはなりません。テレビなどで見る解体工事は、重機で一思いに解体しているようで、簡単に見えるかもしれません。しかし実際は、プロによる技術と経験で、安全に解体できるように綿密な計画がされてから工事が行われるのです。そうでないと、予期しないように家屋が倒壊したりしてしまい、周辺の建物を破壊したり、人が怪我をしてしまったり、最悪の亡くなってしまう危険性もあります。
実際2018年8月にも、大分県で、素人による家屋の解体作業によって人が亡くなる事故が起きています。どのような背景でそのような悲惨な事故が起きてしまったかというと、家屋の所有者から解体を頼まれた農家の男性が、小型のパワーショベルを使って一人で木造二階建ての家屋を解体していたそうです。すると解体の手順を間違ってしまったのか、二階部分が崩れ落ちてきて、パワーシャベルごと下敷きになってしまったというのです。男性は病院に運ばれましたが、そのまま亡くなってしまったということです。
たしかに、DIYとは素晴らしいものです。なんでもお金で解決するという、今まで当たり前にしていた行為を改めて考えさせてくれるきっかけにもなりました。また、「自分の頭で考えて、自分の手で何かを作る」という楽しさを思い出させてもくれました。子どものころの自分は知っていたはずのその楽しさを、いつの間にか忘れてしまっていた大人も多いのではないでしょうか。それらを再び思い出すことができたのは、間違いなく「DIY」が流行してくれたおかげです。
しかしやはり、DIYにも限界があります。「これくらいなら自分できちんとできるな」「これは難しそうだから、プロや業者に依頼してやってもらおう」という判断が必要になってくるのではないでしょうか。そのような線引きがきちっとできてこそ、DIYも楽しめるというもの。自分が楽しんでやったDIYで、万が一自分自身、あるいは誰かが怪我をしてしまうかもしれません。そういうことを考慮したうえで、存分に趣味として楽しみたいものですね。