解体工事の悪天候への対策

2018年9月30日解体工事面白コンテンツ

解体工事の悪天候への対策

 

核家族化などを背景として、空き家が国全体の問題となっている日本。そこに暮らす私たちもまた、決して空き家問題と無関係だとは言い切れません。というのも、両親がなくなって遺産を整理していたら、実は放置されている空き家があった、という事態が多くあるのです。ただでさえ肉親が亡くなって心身ともにつらいときに、空き家問題が浮上してきたら、なかなか大変ですよね。普段から、「もしかして自分にも関係があるかもしれない」と、基礎的な知識をもっておくと、いざというときに慌てずに済むでしょう。

 

さて、複数の解体業者に見積もりを出してもらって、いざ解体工事だという段階になったとしましょう。契約やスケジュールなど、いろいろな手続きを済ませて一安心といきたいところですが、実は他にも、気にしなければならないことがあります。それは、解体工事期間中の、天気予報です。

 

解体工事はもちろん、屋外での作業となります。ですから雨が降っていたり風が強く吹いていたりする状況では、作業は危険なものとなる可能性があります。もちろん、解体業者も天気予報はきちんとチェックしているはずですから、大荒れしてしまうような天気の日は、スケジュールを組む段階から考慮しているものです。近年の天気予測は格段に進歩していますから、ある程度であれば、先の天気も含めてスケジュールを組むことができるのです。

 

例えば、雨が降っている日には、足場が滑りやすくなっています。そのため高所での作業は避けて、そのような作業は晴れの日に行うようなスケジュールを組みます。また、風が強い日には、解体工事によって発生する粉塵が周囲に飛び散ってしまう可能性が高くなります。ですから粉塵などが発生しやすい作業もまた、天候が安定している日を狙って行うようにするのです。

 

しかし、一般的な雨の日や風の日であればそのようなスケジュールの対策で対応することができますが、台風のようなどうしようもない天候の日には、それに応じた対策を施しておく必要があります。

 

まずは大雨によって発生が予想される水害を防ぐために、解体工事の現場に排水ルートを確保します。排水路の掃除をしておいて、台風の当日にスムーズに排水が行われるようにしておくのです。

 

台風の被害は解体工事と影響大

 

また、強風によって外壁が倒れてしまうという事態も想定しなければなりません。解体工事中の建物は当然強度が落ちていますから、台風のような強風にあおられると、倒れてしまうことがあるのです。そうならないための対策としては、隣家から遠い部分を先に解体して、外壁が倒れても内側に倒れるようにしておくという方法があります。また、そもそも建物が不安定なバランスで建っている状態のまま数日が経過するということがないよう、その日の内に作業を終えるようなスケジュールが組まれたりします。

 

さらに、建物そのものではなく、解体工事のために組んでいる足場や養生シートも、悪天候の際には危険なものとなる可能性があります。本来は解体工事中に周囲に粉塵などが飛び散ってしまうことを防ぐ目的で設置されている養生シートですが、台風の際には風の逃げ道をなくして、足場を揺らしてしまう危険性があるのです。

 

「台風に備えるために家中の窓を閉め切っていたが、気になって窓を一か所だけ開けてみたら風が入り込んできて、逃げ場をなくした風が屋根を吹き飛ばした」という話も聞いたことがあります。閉じ込められた風は、それほど危険なものになるのです。ですから悪天候が予測されているときには、解体現場を覆っている養生シートの隅だけを撤去あるいは絞ったりして、風の通り道を作っておきます。そうすることで、解体中の建物や足場にダメージを与えることなく、風を逃がすことができるのです。

 

このように、解体工事中の悪天候に対しても、安全のために様々な対策が用意されています。解体工事を依頼するときには、悪天候の際にどのような対策をとる予定であるかなども、業者選びの参考になるかもしれませんね。