解体工事で脱皮する街 [東京脱皮物語]

2018年7月9日解体工事面白コンテンツ, 解体業者向けコンテンツ東京 解体工事

解体工事で脱皮する街

街の景観はというものは、普段はあまりきちんと気にして歩いていないかもしれません。前から歩いてきた人を避けたり(最近はスマートフォンを凝視して突撃してくる人が多いので、余計に気を付けなければなりませんね)、目的地に意識が集中していたりするので、ある意味自然なことだと思います。

そしてあるとき、更地になっている場所を見て「あれ? ここって、何があったっけ……?」と不思議に思ったという経験は、誰しもがあると思います。そうなのです。普段はあまり意識してはいませんが、街も日々ゆっくりと変化しているのです。まるで、街全体が生き物であるかのように。

生き物のようと言えば、そこに起こる変化は、成長だけではありません。時間とともに、やがては老いて朽ちていくものです。街に無数に存在しているビルに関しても、やはり同じことが言えます。雨風にさらされている建物は、経年劣化という時間の呪いから逃れることはできません。そして、その中で人が生活をしたり仕事をしたりしている以上、朽ちるに任せて放置しておくなんてこともできません。

そこで必要になってくるのが、解体工事です。古くなったものは新しいものに作り替えれば良いじゃない、と思われるかもしれませんが、創造の前には解体が必要になってくるのです。今までお世話になった建物を、感謝と労いの気持ちでもって休ませてやらなければなりません。そうしてできた空き地に、また新しい建物が建てられるのです。そうして、まるで新陳代謝のようにして街は生き続けていくのです。

さて、その建物ですが、日本ではある時期に、一斉に建築された時期がありましたよね。そう、多くの方がすぐ正解に思い至ったのではないかと思いますが、高度経済成長期である1960年代頃です。いわゆる、建設ラッシュというものがありましたよね。その時期に凄まじい勢いで建てられた建物が、老朽化により一斉に寿命を迎えようとしているのです。

これらの大量の建物が、およそ2022年頃になると急速に老朽化するという見方もされています。放置していて街中で崩れ落ちた、なんてことになったらどんな大変なことになるか、想像に難くないですよね。そういった大惨事になる前に、大量の解体工事を行う必要があるのです。高度経済成長期にあった建設ラッシュに対して、解体ラッシュとも言える解体工事の大波が、迫ってきているのです。

「今まで身近に自然にあったものがなくなってしまう」というのは、どこか寂しさを感じさせるものです。「無くしてから初めてその存在をきちんと感じる」とも言いますよね。しかし、マイナスな気持ちを抱き続けることはありません。解体工事が無事に済めば、またそこには新しい建物が建てられるはずだからです。

そして、そんな光景がこれから、日本中で見られることになると思います。そんな規模の解体工事と建設工事が一斉に行われたら、それはまるで日本全体が脱皮するようではありませんか。一皮むけたあとには、私たちの街はいったいどんなところになっているのでしょうか。今から、それが少し楽しみではありませんか?

さらに少し補足すると、老朽化がまだあまり進んでいなくとも、近年頻発する大規模な地震に備えて、耐震工事のために解体工事をする、という場合も増えてきています。また、ビルにオフィスを入れるために、最新の設備を導入するためにやはり解体工事をする、というケースもあります。

老朽化だけでなく、技術の飛躍的な進歩、自然災害の頻発なども、街の脱皮を促進させているのですね。これから日本中で行われていくであろう、解体工事という名の街の脱皮。私たちは、それが無事に済むように、そして解体工事が終わったあとはより素敵な街になっているように。静かに見守りながら、楽しみに待ちましょう。