解体工事の前と後の届出について

2018年12月27日解体工事ハウツー&用語集, 解体工事Q&A

一般生活の中ではなかなか機会のない解体工事。どのような申請や手続きを行うべきかご存知の方は少ないでしょう。事故やトラブルなくスムーズに工事を進めるためにも、事前に必要事項をチェックしておきましょう。こちらでは、解体工事の前後に行うべき申請と手続きについて、わかりやすく説明してゆきます。

事前準備

まず、解体工事では、騒音や振動、埃等で、工事中にご近所に住んでいる方々への迷惑をかけてしまうことは避けられません。そのため解体工事を施工する前にはご近所の方々への挨拶まわりをするのがマナーです。また、生活に使用していたライフラインの撤去依頼と申請も必要になります。電気・ガス・水道・インターネットの撤去や停止の手続きを忘れずにしておきましょう。水道は工事中の埃を防ぐために解体業者が使用する場合がほとんどなので、停止の有無を事前に業者に確認しておきましょう。

解体工事前に必要な申請と手続き

<建設リサイクル法の申請>
建設リサイクル法の対象となるのは、特定建設資材を用いた建物であり、床面積の合計が80㎡以上の建築物です。またコンクリートやブロック等による工作物でも、請負代金が500万円以上のものは、建設リサイクル法の対象となります。事前申請は、依頼主に届出の義務があります。申請してから許可が下りるまでは大体一週間程度となります。
<道路使用許可申請>
解体工事では重機の使用や資材の搬入などがある為、道路交通法に基づき「道路使用許可」を警察署長へ申請します。解体業者が有償で行う場合が多いですが、見積もりの際に「道路許可申請費用」という項目があるか確認しましょう。こちらも、申請してから許可が下りるまでは大体一週間程度となります。
<ライフラインの停止>
電気・ガス・水道・インターネットや有線などの、ライフラインの撤去や停止手続きを行います。セキュリティーサービス解除の手続きも忘れずに行いましょう。
ライフラインの停止に関しては施主が行う場合が多いですが、解体工事中の埃が舞うを防ぐため、水を使用するので、水道は停止の連絡をする前に、解体業者に確認をしましょう。
<室内不用品>
建物にある家財の整理・処分を行います。粗大ゴミの処分は、各自治体に連絡して回収をお願いできます。ただし、[エアコン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機]は粗大ごみとして回収が出来ませんので、購入した家電小売店に問い合わせをするか、家電リサイクル受付センターに電話をして回収を依頼します。不要品の処分がご自身で難しい場合は、解体業者に回収を依頼することも可能ですが、不法投棄をする悪徳業者も多いため、依頼する際は一般廃棄物収集運搬業務許可と古物商許可の両方の提示をしてもらいましょう。

解体工事後に必要な申請と手続き

解体工事を終えた後に、建物滅失登記という手続きを行うことが不動産登記法で決められています。建物滅失登記とは何か、どのような流れかに関してご説明致します。建物滅失登記とは、建物が存在しなくなったことを、法務局の登記簿上に登記する手続きのことです。建物を解体工事した場合、1ヶ月以内に建物滅失登記を行うことが、不動産登記法57条で定められています。建物滅失登記を行わなかった場合、いざ土地を売ろうと思ったとき売却出来ないだけでなく、固定資産税が課税されたり10万円の過料に処される場合もありますので忘れずに申請に行きましょう。建物滅失登記は、土地家屋調査士や司法書士が委任を受けて行ないますが、ご自身で行うことも出来ます。

まとめ

建物の解体工事にはこれだけの申請、手続きがあります。手続きが遅れてしまうとほかの予定も押してしまうので、トラブルなくスムーズに進められるよう早めの手続きをおすすめいたします。