危険‼海外での解体工事事情
日本の解体工事は安全第一で進められてゆきますが、海外の一部では日本では許されないような解体方法での作業が行われているようです。こちらではその事例をご紹介いたします。
爆破解体について
主にダイナマイトなどの爆薬を使って爆破・解体する方法です。
高層ビルなどやマンションなど、その他様々な巨大建造物の解体に用いられています。
足場を組まなくて良いことや、一気に壊すことができるので、人件費の削減や作業時間の短縮につながります。
しかし、ビルの爆破解体工事には、大量の爆薬を使用しますので、必ず専門的なスペシャリストの立ち合いのもとに作業を行わないと、思わぬ大爆発や予想外の方向への倒壊、大量の粉塵や破片の飛散、重大な人的被害など、様々なリスクが伴います。実際に起きた事故では、猛スピードのコンクリートの瓦礫の破片が観衆に直撃し命を落としてしまうような事例もあるようです。また、爆破解体工事では、失敗例も多く報告されています。ダイナマイトで爆破させたビルが予定通りに倒壊せずに建物が残った状態になってしまったり、倒壊した方の瓦礫が隣接する敷地へと崩れて行ってしまいました。こうなると近隣の影響だけでなく、重大な人的被害にも繋がってしまうでしょう。また、解体工事を仕切り直すことによって膨大な金額と時間を費やすことになります。このように爆破解体は常に大きな危険が伴いますが、人財確保や効率の良さ、費用の削減などの理由から、海外では頻繁に行わることが多いようです。
日本での爆破解体は見ることができるの?
日本では1992年の琵琶湖湖畔のビルの解体工事以降、爆破解体は行われていません。日本は海外に比べて建物の密度が高く周辺の住民や生活環境なども損なわれるため、爆破解体が適用できる建物は非常に限られているほか、ダイナマイトに使われる火薬に関しても厳しい法律が定められているので、通常の重機を入れて解体する方法が一般的です。
足場を組まない解体工事
日本では絶対に、と言い切っても良いくらい必要な養生と足場ですが、海外の一部では何も設置せずに裸体のまま解体を行うことがあるようです。粉塵が大量に飛散したり、解体物の破片が飛来落下したりするのを防ぐための養生がなければ、近隣の生活環境は安全に守られませんし、足場がなければ作業員が施工を行うのも至って危険です。
人力のみの解体
日本では「手壊し」と言って、主に「解体重機が入らないような狭い現場」や「重機が使えない高低差がある現場」などで行われています。この解体方法は解体に時間がかかるため施工期間が長くなるほか、作業員の人数、労力が多大なものになりますので、費用も割高になるケースが多いようですが、メリットもあり、解体重機を入れて解体をする場合よりも騒音や粉塵は最小限に抑えることができるので、ご近所の生活環境は損なうことがなく、クレームは免れることができます。しかし、海外の一部の「人力のみの解体」の場合、コンクリートのビルの縁からハンマー等で砕いて行く方法が多いようです。数十メートルという高さで、作業しやすい足場もなく、親綱や安全帯などの「命綱」やヘルメット等も着用していないことが多いため、作業員が作業中にバランスを崩して地上に落下してしまい、大事故を起こしてしまう危険性を伴います。
まとめ
このように、海外の一部では日本ではなかなか見られないような、目を覆うような解体方法が実際に行われています。作業員も安全第一に行ってほしいですが、解体工事を行っている現場周辺の人々に事故などの被害が及ばないか心配なところです。解体現場の前を通過するとき、毎回注意を払っている一般人は少ないのではないでしょうか。安全第一と唱っているいる日本でも、足場の倒壊や資材の落下などの事故は少なからず起こっているのです。解体現場や工事現場を通る際は細心の注意を払い、事故に巻き込まれないように気を付けましょう。