解体工事の需要が増加する東京で、優良解体業者を見つけるポイント

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戦後、高度経済成長期を迎えた日本では、1960年代から首都東京を中心に、高層マンションやアパート、インフラ施設など、数多くの建造物が次々に建てられました。その影響もあり、築60年を迎える建造物の老朽化が進み、近年「解体ラッシュ」がやってきています。需要の高まりに比例し、年々上昇する解体費用。解体工事を検討されているなら、早いうちがおすすめです。

解体工事の基礎知識

解体工事と聞くと、経年劣化で安全面に問題がある建造物や、使用しなくなった建造物を更地に戻すための大掛かりな工事を思い浮かべる方が多いと思いますが、リフォームなどによる内装解体や、家を取り囲むブロック塀など建造物の一部を解体する工事も解体工事の一種です。安心して解体業者に依頼する為にも、まず解体工事についての基礎知識を学んでおきましょう。

解体工事全体の流れ

建造物の解体工事には、仮設工事、解体工事、付帯工事の3種類の工事が必要です。まず仮設工事にて、解体工事本体の基盤となる足場を組み立てたり、養生シートや防音シートを配置し、解体工事がスムーズに行えるように土台を整えます。次に解体工事本体、建造物を壊していく工事を行います。そして、最後に、解体工事から出された廃棄物の処理や整地のための工事です。

解体工事の費用

解体工事費用は、坪数(大きさ)、階数、家の構造(木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造のどれに当てはまるか)や、立地条件により大きく異なります。また、解体本体にかかる費用の他に、解体工事から出た多くの廃材を処理する費用(廃材処分費)もかかります。

廃材処分費は、処理に手間がかかることや、以前までの処分先であった中国への輸出が規制され始め、日本国内で処分しなければいけなくなったことから、年々料金が上昇しています。少しでも費用を抑えるためにも、家具など業者に頼らずに処分できるものは、自身で処分すると良いでしょう。

また、東京では地区ごとに、防災プロジェクトの一貫として、老朽危険家屋解体工事補助金や木造住宅解体工事費補助事業といった助成制度が存在します。

東京でよく起こる解体工事トラブル

解体工事を速やかに行う上で、重機が入れる十分な道幅があることや、近隣住民との関係はとても重要ですが、東京は他県に比べ、人口密度が高く、住宅の密集や道路が狭いというデメリットがあります。

そんな東京でよく起こる解体工事トラブルについてご紹介します。

重機での解体が困難

解体工事を速やかに行うのために必要な重機ですが、一般的な重機の幅は約2メートルあります。そして、都心の住宅街では道幅2メートル以下の道路がたくさんあります。仮に重機が道幅ギリギリを通行できたとしても、角でつっかえて右折や左折ができない、なんてことも少なくありません。

そうなると、もちろん重機を使うことができず、手作業での解体になってしまうため、費用が高くなるだけでなく、工期も伸びてしまいます。そのような道幅の懸念がある場合には、ミニユンボなどの小型重機を所有している解体業者に解体工事を依頼するという手段もあります。

近隣住民との騒音問題

住宅が隣接している場所での解体工事の場合、問題になるのが騒音問題です。環境省が定める基準によると、騒音の上限は85db(デシベル)となっていますが、重い廃材を地面に下ろすときや工事の過程で突発的にこの上限を越えてしまうことは避けられません。

このような近隣との騒音トラブルを防ぐためにも、工事前には近隣住民への挨拶を徹底し、良い関係性を築いておくことがとても大切です。

近隣へのゴミやほこりなどの飛散

騒音問題と同様によく起こりうる近隣とのトラブルとして、工事によるゴミやほこりの飛散トラブルがあげられます。業者によっては、ボロボロの養生シートを使用しているところもあり、そのようなシートでは、もちろんゴミやホコリの飛散を防ぐことができません。そのため、きちんとした養生シートを使用している業者を選ぶ必要があります。

また、ゴミやほこりの飛散に効果的と言われているのが、工事前の散水です。この散水も業者によってやってくれる業者とそうでない業者がいるので、依頼時に確認しておくと良いでしょう。

解体業者選びのポイント

国土交通省の建設業許可業者数調査によると、令和2年3月末現在の都道府県別建設業許可業者数は、東京都が43,444 業者で第1位となっており、全体の 9.2%にも及ぶことがわかりました。

つまり、多くの解体業者が狭い東京の中でひしめき合っているということです。森林や海への廃棄物の不法投棄が行われているというニュースを、耳にしたことがある方も多いと思いますが、コスト削減のためにどこかに不法投棄をする、違法な建築業者も数多く存在します。

そのような業者を選んでしまわないよう、依頼する際にはしっかりと優良解体業者かどうかを見極める必要があります。

安さだけを基準にしない

多数の解体業者に見積もりを依頼し、比較検討することは、費用を安く抑えるためにも、そして良い解体業者を見つけるためにも、とても有効な手段です。しかし、安さだけで業者を選ばないようにしなければなりません。先ほども述べたように、業者によっては、解体工事費のうちの廃材処分費用のコストを削減するために、廃材をどこかに不法投棄しているような悪徳業者であったり、付帯工事費が必要な物件にも関わらず、解体工事費だけの見積もりを提示し契約した後に追加費用を請求されるなんてことも珍しくないからです。

このような業者に引っかからない為にも、建物本体以外に樹木や建造物の周りのブロック塀など、取り壊すものがある場合は業者に事前に確認することが大切です。このように、見積もりの安さだけを軸に業者を決めるのではなく、きちんと条件を比較した上で、コストパフォーマンスが良い業者を選ぶようにしましょう。

信頼できる業者かを見極める

解体業を営む上で、建設業許可や解体工事業登録といった必要な許可があります。このような許可を得ている業者は、スキルや経験が豊富であり、工事の質も担保されていますが、このような許可なく営業している不法業者も稀にいます。また、保険に入っていなかったり、保険の期限が切れたままになっている業者も少なからず存在しています。

工事トラブルを事前に防ぐためにも、きちんと許可を得て営業しているかや、有効な保険に加入しているのかなども依頼する際に一緒に確認することをお勧めします。

まとめ

以上、解体の基礎知識から解体工事のよくあるトラブル、そして、優良解体業者を選ぶポイントについて説明してきました。東京は他県と比べ、立地条件や近隣住民への配慮など、解体工事をする上で注意しなければならない事がたくさんあります。

そんな状況だからこそ、費用の安さだけにとらわれず、安心して工事を任せられる解体業者を見つける必要があります。そして、需要の高まりと共に、解体費用も年々上昇しているので、解体工事をお考えの方は、なるべく早めの工事をおすすめします。