東京の解体工事を徹底分析。構造別、エリア別、年代別にご紹介
東京ではいろいろな場所で新しい建物が数多く建てられている一方で、解体工事に関してもいたる所で行われています。一体東京ではどのくらいの解体工事が行われているのでしょうか。また、東京で初めて解体工事を発注する際にどのようなポイントに気をつけなければいけないのでしょうか。今回は解体工事には欠かせない坪単価の話を交えながら、東京での解体工事について紹介していきます。
東京の解体工事事情
解体工事業者を探す際のポイントの前に、実際どれくらいの建物が東京で解体されているのかを見ていきます。とくに今回は住宅を中心として、東京の解体工事事情に迫っていきます。
東京の住宅事情
総務省が平成30年に発表した平成30年住宅・土地統計調査住宅数概数集計の結果では、平成30年10月1日現在の日本全国の総住宅数は6,242万戸となっています。ここ30年で見ても住宅数は増え続けているのですが、東京、千葉、埼玉、神奈川の1都3県の増加の割合がとくに高くなっています。東京で767万戸と約1割以上の住宅を占めていますが、その中で東京は80万戸以上が空き家となっています。全ての空き家が解体しなければいけないものではありませんが、解体される可能性が高い住宅が数多く存在するということが分かります。
建築物滅失統計調査
建築基準法の第15条第1項の規定により建築物を除却する場合は都道府県知事に届出等が義務づけられています。そうした届け出を義務付けされた建築物を対象とした統計調査が建築物滅失統計調査です。床面性の合計が十平方メートル以内の場合は対象にはなりませんが、多くのところで動態分析の資料として活用されています。毎月調査報告されているのですが、2020年度の調査結果を見てみると、東京では年間9228件の建物が除却されており、さらに小さい建物も含めると1万件を超える建物が壊されています。シーズン的な内訳では4月から6月が2,402件、7月から9月が2,303件、10月から12月が1,849件、1月から3月までが2,674件となっており、特に1年の中でも3月が1,265件と多くなっています。つまり1年の中で最も解体が多いのが3月ということがいえます。
様々な要因で異なる解体費用
解体費用は一般的に坪単価をベースにして解体費用が出されています。坪単価とは建物1坪(約3.3㎡)あたりの解体費用のことを言い、坪単価に延床面積の坪数をかけるとおおよその建物相場がでてきます。ただし、外構の解体などの付帯工事や追加工事などが含まれていないため、解体費用の総額ではないことに注意が必要です。さらに、ベースの坪単価は解体する建物の構造やエリアなどによって異なります。それではどの様な違いがあるのか確認していきます。
構造別で異なる坪単価
建物には木造や鉄骨造、鉄筋コンクリート造など、いろいろな構造で作られていますが、解体する際には費用が異なってきます。なぜ、異なるのかというと、解体する際の手間や時間が構造によって違うからです。最も解体しやすいのは木造なのですが、鉄骨造、鉄筋コンクリート造になるにつれて頑丈な造りになっている分解体する際には費用が高くなってしまいます。一般的には木造に関しては坪単価4万円から5万円、鉄骨造は6万円から7万円、鉄筋コンクリート造は6万円から8万円となっています。
エリアによって異なる坪単価
解体工事の坪単価は地域によっても異なります。全国的にみても地方に行くほど坪単価が安い傾向にあるのですが、逆に大都市圏になるほど坪単価が高い傾向にあります。さらに、その傾向は東京都内でも同じです。東京都内でも坪単価は異なり、都内の中では23区内とその周辺の地域が高めとなっているのですが、都下で田舎の方に行けば行くほど坪単価は安くなる傾向にあります。
年代でも変化する坪単価の相場
構造やエリアだけでなく、年代ごとにも坪単価の相場は変化しています。解体工事の見積もりサイトでは、実際に出された見積もりから坪単価を掲載しているところもあります。一例で見てみるとくらそうねでは、建物本体価格の平均坪単価が2016年には2.9万円だったものが年々上昇しており、2020年には4.3万円まであがっています。今後も上がる可能性があるかもしれませんので、解体が決まっているようなら早めに発注業者の選定をした方がいいかもしれません。
解体工事で発注する際のポイント
これまで解体工事について、様々な観点から紹介してきました。今度は、どの様にして業者選びしていけばいいのかという点を中心に話を進めていきます。解体工事で発注する際の注意しておきたいポイントとしては、東京に限らず基本的にどこでも同じです。
複数の業者の見積もりをとること
基本的な相場があることはお伝えしましたが、地域的な相場も存在しているため、複数社からの見積もりである程度のおおよその相場が確認できると思います。建物本体以外にも外構や木の伐採等が必要な場合はさらに費用がかかります。さらに重機が入らないスペースであることや近隣に駐車スペースの確保ができない場所であればその分費用もかかります。そのため、同じ条件のもとで、見積もりを出してもらうことで、各社の違いが分かります。いくら安くても必要な工事が含まれていない場合は追加費用がとられてしまい結果的に高額になる場合があるので注意しましょう。
見積もり内容をしっかりと確認する
解体工事は足場の建設から本体の解体工事、さらには周辺の解体工事、廃棄物の処理、整地に至るまでいろいろな工事内容があります。つまり、単純に工事一式とだけ記載された見積もりでは、何が含まれていて、何が含まれていないのか分からないため、本来の見積もりの意味がなくなる場合があります。見積もりはできるだけ、工事内容を分けて費用を出してもらうようにしてもらいましょう。そこで不明な点があれば、必ず発注前に確認しておくことが大切です。
優良な業者に交渉すること
見積もりがいかに安くても、しっかりと内容を確認しなければトラブルになることはお分かりいただけたと思います。複数社見積もりをとり、その中で安心できる業者に発注してください。そうして優良な業者に交渉することになるのですが、一方的な値下げ要求は工事の質の低下になりかねません。どうすれば費用が安くなるかを相談してみてください。例えば閑散期の工事にするとか、建物内にあるゴミは処分するとか、発注者が協力することで安くなる可能性があります。
まとめ
東京は日本の中でも人口が密集している分建物も多いため、その分解体工事も数多く実施されています。解体工事の費用に関しては基本は坪単価をベースに算出されることが多いのですが、全国的に見て他と比べて東京は高めに設定されています。そのため目安よりも余裕をもった費用計算をしておきましょう。そして発注する際は、しっかりと業者を見極め、見積もりを確認して安心できる解体のパートナーを見つけてください。