鉄筋コンクリートの解体工事とは?手順や注意点をご紹介
「鉄筋コンクリート」を街でよく見かけることがあるのではないでしょうか。身近な存在ではあるものの、鉄筋コンクリートのことを詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。今回は、鉄筋コンクリートとは何かや、鉄筋コンクリートの解体方法について注意点とともにご紹介します。
鉄筋コンクリートとは
鉄筋コンクリートはビルやマンションで多く採用されていて、RC構造とも呼ばれています。RC構造は「Reinforced Concrete」の略で、「強化されたコンクリート」という意味を持ちます。この名の通り、鉄筋コンクリートは鉄筋とコンクリートでお互いの弱点を補い合い、耐久性、耐火性、耐震性、遮音性、強度に優れた構造になっています。一度建設すると長い間にわたって使い続けることができます。そのため、多くの建物に使われています。
鉄筋コンクリートの取り壊し方法
一般的に、鉄筋コンクリートを使った建物を取り壊す際には独特な方法を使います。鉄筋コンクリートを使った建物は大きなものが多いので、解体工事をする際には十分に注意を払わなければなりません。
鉄筋コンクリートの取り壊し方法は、主に2つあります。「階上解体」と「地上解体」です。ここでは、それぞれの取り壊し方法について説明します。
階上解体とは
階上解体とは、最上階から下の階に向かって解体工事を進めていく方法です。大型クレーンを使って重機を上の階へ運び、作業を進めていきます。大きなマンションやビルなどではこの方法で鉄筋コンクリートの解体工事を行うことが一般的です。
地上解体とは
地上解体とは、地上に重機を設置し、鉄筋コンクリートの解体を進めていく方法です。これは主に、低い鉄筋コンクリート製の建物に使用されます。低い建物だと重機を上に運ばなくても届くので、そのまま解体工事に取り掛かることができます。
3つの解体工法
鉄筋コンクリートの取り壊し方法は、「階上解体」と「地上解体」の2つの方法で行われることがわかりました。次に、その中で使われる細かい工法を3つご紹介します。
圧砕機工法
圧砕機工法は、圧砕機による強い圧縮力を使って、対象物をつかんで破壊しながら解体を進めていく方法です。圧砕機は鉄筋やコンクリートなども簡単に壊せる程の強い圧縮力を持っています。圧砕機にもさまざまな種類があるので、対象の壁や周辺の状況に合わせて適切なものを選ぶことができます。
大型ブレーカー工法
大型ブレーカー工法では、大型ブレーカーと呼ばれる機械を使い、壁を破壊しながら解体を進めていきます。コンプレッサからでる油圧力を使ってブレーカーを作動させると、強い衝撃力がでます。この衝撃力を使って壁を破壊するのです。
転倒工法
転倒工法とは、外壁を地面に転倒させながら解体工事をする方法です。転倒させた後、鉄筋コンクリートを持ち出せるサイズまで小さく砕きます。こうすることで、ホコリなどの飛散を最小限に抑えることができます。
鉄筋コンクリートの解体をする際の注意点
鉄筋コンクリート造の建物の解体は、大規模の工事になるため危険が伴います。このことから、注意深く作業を進めることが大切です。ここでは安全面に注目した注意点3つをご紹介します。
注意点1.入念な現場調査が必要
鉄筋コンクリートの解体工事は重機を使っての工事のため、周りの道路状況の確認が必要不可欠です。重機や作業車両の駐車場所、作業員の休憩所を確実に確保しておきましょう。また、解体工事をすることで影響を受ける近隣住民の方への配慮も考えておくと、より実践的な現場調査になるでしょう。アスベストが使用されているかどうかを確認することも忘れてはいけません。
注意点2.現場の安全管理
現場の安全管理は非常に重要です。解体工事は危険と隣り合わせで、小さな危険が大きな事故につながってしまいます。現場の安全管理をするだけではなく、作業員一人ひとりの安全への意識を高めることも必要です。鉄筋コンクリートの解体工事の際に発生した事故の事例を見て、前もって勉強しておきましょう。
注意点3.廃棄物の処理方法
解体工事には廃材が出てきます。そのため、廃棄物処理にも気を配らなくてはなりません。廃棄物は、マニフェストと呼ばれる伝票を使って、処理方法を明確にしておく必要があります。鉄筋コンクリートの解体工事を行うときには、廃材を処理することが一般的ですが、中には廃材を買い取ってくれる業者もいます。そのような業者に売却をすれば、廃棄物の再利用になり、地球に優しいアクションになります。
終わりに
今回は、鉄筋コンクリートの解体工事について注意点とともにご紹介しました。鉄筋コンクリートは大きな建物で多く使われているため、解体工事も大規模な工事になります。事故を起こさないためにも安全に十分に注意を払い、工事を進めることが大切です。