東京の解体工事はやっぱり割高?工事の際の方法や注意点のまとめ

2020年2月3日解体一括見積もりサービス, 解体工事ハウツー&用語集, 解体工事Q&A, 解体工事面白コンテンツ, 解体業者向けコンテンツ

東京での解体工事は、地方と比べて費用がかかりそうだと感じている人も多いでしょう。実際、東京と地方では解体工事の内容はそれほど変わらないことが多いのですが、需要と供給のバランスの関係で、東京の解体費用は高めになっています。また、古くから人が住んでいたため、敷地内から井戸や浄化槽、杭などが見つかってしまって、思わぬ出費があることも。そんな東京での解体工事について、大事なポイントを解説します。

東京の解体工事費用と業者の選び方

東京の解体工事の坪単価は、他の地域と比べるとやや割高です。平均して木造で約3.9万円、鉄骨造で6.0万円、鉄筋コンクリート造で8.3万円が相場ですが、これは、首都圏の他の地域と比べると、だいたい3割くらい高い値段です。さらに、地方都市と比べると価格差は倍近くまで開きます。東京での解体は、手始めにしっかり予算を組むところから始めましょう。

東京の解体業者の選び方

解体業者にとって、東京23区は営業の激戦区。見積もりをとっても、各社が出してくる価格はそれほどばらつきがありません。業者が気を悪くすることはないので、数社に現地測量をしてもらって、「相見積もり」をしてから、信頼できそうな業者を選びましょう。一方で、都心部から離れた市区町村に行けば、それほどたくさんの業者がいるわけではなく、見積もりを取ると数十万円くらいのばらつきが出ることもあります。費用とサービスの両面から業者を選定するのがベストです。

東京の解体では地中埋設物に注意

東京という土地は古くから人が住んでいたため、地中にいろいろなものが残されているケースが散見されます。家を解体し、土台を取り払ったあとで、地下に埋められていた産業廃棄物が出てきてしまうと、それらの処分費用は施主が負担することになります。出てきたものによっても処分・リサイクル費用はさまざまですが、場合によっては100万円以上かかってしまうことも。事前に予想できないので、トラブルを避けるためにも見積もりの時点で業者に確認しておくべきです

産業廃棄物が不法に埋められていることも

鉄筋コンクリートや材木、浴槽など、以前建っていた家で使われていた建材が地中深くから出てくることがあります。これは、過去に住宅を解体した業者が、処分の手間と費用を浮かそうとして、穴を掘って埋めてしまったため。また、電気コードやマットレスといった不用品が廃棄されていたケースや、ビルが建っていた敷地で、鉄筋が入ったままのコンクリートが見つかったこともあります。実は、これらの産業廃棄物であれば、数万円で処理することが可能です。ただし、大きな井戸や浄化槽がそのまま埋められていた場合には、数十万円の請求になる可能性もあります。

古い建物の基礎部分や地中杭がそのまま残っていたケース

建物がコンクリート造だったり、地盤が粘土や砂で弱かったときには、建物の地下に基礎杭を打つことがあります。建物を支える基礎杭を引き抜くのにはかなりの費用がかかるため、リサイクル法がなかった頃には、建物だけ解体して、杭は引き抜かずそのままにしていってしまう業者がいました。もし、地中深くに昔の基礎杭が何本も埋まっていた場合、場合によっては10万~100万円程度の撤去費用がかかるおそれがあります。もし、土地の歴史を振り返って、そういうものが見つかりそうであれば、見積もり前に調査を依頼しても良いかもしれません。

東京都で解体をする時に必要になる近隣配慮

東京は土地が狭いので、住宅が密集していて、隣の家との距離もあまり離れていません。解体工事中には重機が道路を塞ぐこともありますが、事情を知らない人から見れば、あまりよく思われない行為です。近隣の方からクレームが出てしまうと、対応のために業者が工事を中断することになり、工期が延びる可能性もあります。スムーズに解体工事を終わらせるためにも、近隣のお宅には十分に説明し、工事看板もしっかり出しましょう。クレームを受けないための調査費用が解体費に上乗せされる場合もありますが、対策を怠ったために賠償金の支払いが必要になるケースもあるので、これは仕方のない出費とも言えます。

近隣の家屋調査

ショベルカーで壁を壊したり、土間コンクリートをはがしたりしていると、時たま衝撃が発生し、隣接しているお宅の土台や壁にヒビが入ります。実際、解体後に、近隣から「自宅にヒビが入った」などのクレームがつくことはよくあります。特に、隣の家との距離が近い場合は、どうしても起こってしまうのです。もちろん適切な謝罪と賠償が必要ですが、そもそも、被害が解体工事の影響であるかどうかを確認するためにも、工事の前に近隣の写真を撮らせてもらい、測量などの家屋調査をしておきましょう。

アスベストの調査

近隣に家が密集している場合は、飛散物の被害も大きくなりがちです。特に気をつけた方がいいのがアスベスト(石綿)の飛散。築年数の古い家には、表に出ない柱や床下、屋根や壁の裏側といった見えない部分に、アスベストが使われていることがありますが、肺がん、中皮腫といった深刻な病気の原因になるため、気にしている人が多いはずです。もし事前の調査でアスベストが見つかったら、除去してください。あいさつ回りをする時には「アスベスト対策は終わった」ということを説明して、近隣の方の不安を取りのぞくようにしましょう。

東京都の解体では補助金がおりる可能性がある

人口の多い東京都ですが、あまりにも住宅が密集しているため、災害に弱いことが問題視されています。とくに、古い木造住宅が密集している「木密地域」と、緊急時に救急車や消防車が通る「緊急輸送道路」の脇にある古い建物は、耐震・耐火性の高い建物に建て替えるための解体工事に助成金が出るようになりました。自宅が該当するかどうかを一度チェックしてみてはいかがでしょうか。

「不燃化特区危険老朽木造住宅除却事業」の補助金

古くからある下町や人口密集地では、木造や軽量鉄骨造の小さな家が密集しているため、ひとたび火災が起きると短時間で周囲の家に燃え広がってしまうと言われてきました。東京都では、防災型のまちづくりのために「木密地域不燃化10年プロジェクト」をスタートし、住宅が密集していて燃えやすい「不燃化特区」に指定された地域で、木造または軽量鉄骨造の家を解体すると、助成金がもらえる制度を作りました。「不燃化特区」は山手線の外側だけでなく、新宿・渋谷といった都心部にも存在しています。築年数や規模によっては解体費用を100%出してくれる自治体もあるので、助成金がもらえるか問い合わせてみましょう。解体後の土地についても、固定資産税や都市計画税の減免が受けられます。

「緊急輸送道路沿道建築物への助成制度

緊急輸送道路とは、地震が起きて消防車や救急車、またはがれきを片付ける重機が災害現場に駆けつける時に通行する道のことです。もし、耐震性が弱い家が沿道にあると、倒壊した家が道路を塞いで、自動車が通るのを妨げてしまう恐れがあります。東京都は対策として、緊急輸送道路沿線にある建物の解体工事に助成金を出しています。条件は、新耐震基準を満たしていない古い建物で、倒壊した場合に道路を塞ぐ可能性がある場合です。解体工事を始める前に申請手続きが必要です。

終わりに

東京にはたくさんの解体業者が存在しますが、信頼できる業者かは、ウェブページを見ただけではわかりません。打ち合わせを重ねながら、自分自身で確かめて、大丈夫だと思った会社に依頼しましょう。選択肢が多いことはありがたいですね。特に、近隣対策には業者のカラーが出ると言われています。道路を占拠してしまう時は、挨拶回りで50軒以上の家を回ってくれる業者もあるそうで、そういった対応からまじめな姿勢が伺えます。焦って決めずに何度か見積もりを取り、信頼できる会社をじっくり探しましょう。