解体工事の補助金って何?知らないと損する話
人口の減少が進む日本ですが、それに伴い近年では「空き家」が増加傾向にあります。「両親が亡くなり、空いてしまったが生まれ育った家なので壊したくない」という話や、「そもそも解体費用が高いので、次の活用方法が決まらない」という話も珍しくありません。そのため、誰も住む人がいなくなったにも関わらず手をつけないまま放置されている住宅が少なくはありません。きっとあなたも街中を歩いていればいくつか目に付くはずです。しかし、実は空き家のままにしておいてもいいことはほとんどありません。
空き家は税金が高い?
不動産を所有していると、固定資産税と都市計画税(地域による)がかかります。1月1日時点での所有者に対して納税の通知書が送付されます。これは空き家であっても同様な話で、登記上の所有者へと通知書が送付されます。
通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」が適用されることで、更地状態と比べて税金の減免措置がなされていました。そのために空き家となったとしても次の活用が決まらないうちは解体せずにそのままにしておく、ということが安全策でした。
しかし、平成27年度の「税制改正の大綱」によって「空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく必要な措置の勧告の対象となった特定空家等に係る土地について、住宅用地に係る固定資産税及び都市計画税の課税標準の特例措置の対象から除外する」こととなりました。つまり、「特定空き家」の認定がなされた住宅は更地と同じ課税となってしまったのです。空き家を減らしていくための税制改正が行われました。
建物が空き家となることは、その建物を管理する人がいなくなることを意味します。そのために、町の景観が損なわれたり、不法投棄などの犯罪が起きやすくなったりと、周辺の居住環境に影響を与えかねません。それだけではなく、火災や倒壊などの危険度が高まることも意味します。そのために、国は空き家を減らすための税制改正を行なったのです。
解体工事に補助金が出るの?
しかし、空き家のまま放置しておくと税金が上がるとは言え費用が整わなくては解体することができません。そんな人たちのためにあるのが「解体工事の補助金」です。補助金を支給してくれるのは、国ではなく地方自治体です。全国の約300の自治体で解体の補助金制度が用意されており、条件を満たせば一定額の補助金がおりる制度があります。(全ての解体に対して補助金が出るとは限らないので注意)補助金の条件を満たしているも関わらず、その制度を知らずに受け取らないのは、非常に勿体無いことです。空き家の解体工事の予定がある人は、対象物件の属する自治体が補助金制度を用意しているかどうかを確認してみましょう。
補助金の条件を満たしているかどうか知りたい!
先ほどの述べた通り、補助金の条件は自治体によって異なります。では、対象となる物件が補助金対象かどうかを調べるにはどうしたらいいでしょうか。手っ取り早いのは、インターネットで自治体のホームページを調べることです。対象エリアや条件、手続きの仕方まで掲載されていることが一般的です。役所の人に聞いた話によると、インターネットで検索をした上で、役所へ電話で問い合わせて確認をすることが一番確実であるとのことでした。また、実際に役所へと足を運んで図面や見積もり、写真などを交えて相談するのもいいかもしれません。補助金制度のパンフレットや申し込み用紙を直接受け取ることもできます。
上記の通り、横浜市は建築年度が基準でした。一般的には、例えば「空き家であること」「建物の強度が自治体の定めた基準を超える範囲で低いこと」「前年度の所得制限」などが挙げられます。「放置しておくと危険な空き家」という判断が条件となるようです。
例えば、神奈川県横浜市の場合
代表例として、神奈川県横浜市の補助金制度を挙げます。「建築物不燃化推進事業補助」という制度です。神奈川区をはじめとして一定の行政区内の地域において解体に伴う補助金が還付されます。基準としては、昭和56年5月31日以前の建築物又は耐用年数を経過した建築物です。上限150万として、見積額の2/3が補助金となります。一般的に、解体の請負契約を締結する前に補助金の申請が必要なので、注意してください。
補助金制度があるのは、横浜市のほかにも、東京都足立区や、兵庫県神戸市が有名です。
補助金制度を駆使しておトクに解体しよう!
補助金が出ることは、知っているだけで最大100万円単位で費用に差が出ます。活用や売却の利益計算に与える影響は小さくありません。
空き家のまま放置をしていると、税金が重くなるだけではなく、倒壊や火災など、周辺にも迷惑をかけてしまう可能性があります。
空き家は空き家のまま放置せず、補助金制度を利用して安く解体工事を済ませてください。
ぜひ、親族や知人で知らない人がいたら教えてあげましょう。