解体工事の需要が増加している理由とは?東京の解体業者数や解体費用もご紹介!

2020年4月7日解体一括見積もりサービス, 解体工事ハウツー&用語集, 解体工事Q&A, 解体工事面白コンテンツ, 解体業者向けコンテンツ

建設業に必要な建設業許可の29種ある業種のうち、近年注目されているのが「解体工事業」です。わが国では、かつての高度経済成長によって、1960年代頃より高層ビルやマンション、住宅から公共インフラの建設が相次ぐ「建設ラッシュ」が起こりました。しかし現在では、建設から50年以上経過した建物の数が加速度的に増加しており、その老朽化の進行などから、取り壊しや建て替えのための解体工事の需要が年々高まってきています。また、首都である東京都においては、特にその影響が大きいと考えられます。今回は東京での解体工事に注目し、解体工事増加の原因や背景、解体業者数、解体費用などについてご紹介します。

解体工事の需要増加の背景やその理由

解体工事の需要が高まっている背景には、上記で述べた通り1960年代より始まった高度経済成長に伴う建設ラッシュによって建てられた建造物の多くが、老朽化によって建て替えの必要性があることが主に考えられます。
2016年6月1日に建設法が45年ぶりに改正され、全28種であった業種区分に加え、「解体工事業」の項目が独立し新たに1区分として追加されました。改正以前は、土木・とび工事業のいずれかの許可があれば、解体工事を行うことが可能でした。しかし、解体工事業が追加されたことで、建設事業者が解体工事を実施するためには、この許可が必要になりました。

“・規制の強化等の影響や社会的負担の増加と比較考量しても、社会的課題の解決又は疎漏工事のリスク低減など適正な施工の確保に顕著な効果が見込まれること
・当該工事に必要な技術が専門化しており、また、対応する技術者資格等が設定できること
・現在、ある程度の市場規模があり、今後とも工事量の増加が見込まれること ”
 
引用:国土交通省:解体工事業追加に係る制度について

このことから、今後の解体工事の需要増加が見込まれていることが分かると思います。

また、需要増加の具体的な要因として他に考えられるのが以下の通りです。

空き家の増加

平成30年に行われた総務省の住宅・土地統計調査によれば、全国の空き家の総数は846万戸です。総住宅数6242万戸のうち、空き家が占める割合は13.6%にも昇ります。また、2030年頃には、その割合はおおよそ30%にまで増加することが予想されています。全国でも分譲マンションや高層ビルの多い東京都において、その割合は平均よりも高いと推測できます。
日本では少子高齢化や人口減少が問題となる一方で、夫婦や親子のみで構成される核家族数が増加することで、世帯数も増えています。このことも空き家が増加している理由の一つです。

大規模イベントに向けた都市整備

東京オリンピックや大阪万博などの大規模なイベントの開催に向け、都市整備が急速に進められています。そのことから、老朽化したトンネルや高速道路のような公共インフラや旧耐震基準で建てられた耐震性の不足している多くの古い建造物の改築・解体が必要になるため、解体工事の需要が高まっている要因として考えられます。

東京における解体業者数

国土交通省の調査によると、平成31年3月末時点での全国の建設業許可業者数は約46.7万業者あり、都道府県別では東京都が43,090業者と全国第一位で、全体の9%を占めています。そのうち、解体工事業の許可を取得しているのは全国で43,186業者あります。都道府県ごとの解体工事業許可のある業者数に関しては言及されていないため詳細は不明ですが、全国の建設業の許可業者数のうちの東京都が占める業者数の割合から、おおよそ4,000業者ほどであると推測できます。しかし、2020年現在では需要の高まりから、さらに増加していると思われます。

解体費用について

建物の解体工事には、仮囲いや足場、養生パネルの設置などの仮設工事、実際の解体工事・廃棄物などを処理する付帯工事の3つの工事が主に必要となります。その費用は、建物の構造(木造・鉄骨・鉄筋コンクリートのどれに該当するか)や大きさ(坪数)、階数によって異なります。また、それ以外にも、解体作業を行う地域によっても費用が変動します。全国でも東京都の23区における解体工事の場合、工事費は高くなる傾向にあります。費用の違いに地域差がある理由としては、工事を行う作業員の人件費や工事車両の駐車費用の有無の違いなどがあります。東京では、人件費の高さや有料の駐車場を利用することが多いことなどが解体費用が高くなる原因となっています。
その見積りは通常、平均の坪単価に実際の坪数をかけた金額に、その他の諸費用を合計した金額で算出されます。

解体費用を抑える方法

解体工事の費用は少しでも抑えたいと考えている方は多いと思います。ここでは、工事にかかるコストを抑えるための方法をご紹介します。

複数の解体業者を比較する

費用を抑えるためには、複数の解体業者に見積りを依頼し、比較・検討することが重要です。解体の規模にもよりますが、業者によって数万から十数万円ほどの差が出る場合があります。しかし、ここで注意しなければならないのが、見積りが安ければ良いという訳では決してないということです。見積り金額が安いと作業開始後に追加費用を請求してきたり、手抜き工事を行ったりする悪質な業者も実際に存在し、トラブルの原因にもなります。そのため、解体工事を依頼する際には業者のレビューや評価、過去の実績を確認し、他と比べてあまりにも安い、他の見積り金額を聞き値下げをしてくる、見積り内容が曖昧である、などといった業者には依頼しないよう気をつけましょう。

工事を仲介業者に依頼する

不動産会社やハウスメーカーなど建設会社の多くは直接工事を行わず、下請けの業者に依頼している仲介業者である可能性があります。その場合、中間マージンが発生しているため、余計なコストがかかってしまいます。解体工事の依頼は、実際に直接工事を行っている業者や解体専門の業者などに依頼した方が費用を抑えられる場合があります。

工事の時期

その他にも、工事の時期によって費用が異なる場合があります。一般的に、建設業界全体が忙しくなる12月から3月の繁忙期は工事費が高い傾向にあるようです。それを過ぎると閑散期に入り、繁忙期に比べて費用も割安になります。ま
直前に解体工事を依頼すると割高になりやすいため、工事を依頼する際は日取りに余裕を持って依頼をしましょう。

終わりに

かつて日本では建設ラッシュによって数多くの建造物が建設されましたが、2020年現在は、さに「解体ラッシュ」が訪れているといっても過言ではありません。
今回ご紹介したことからも、解体工事は今後も増加し続けるでしょう。特に老朽化した建物が多く、ビルや住宅、公共インフラ等の整備が進められる東京では解体工事の需要はさらに高まることが見込まれます。