東京で行う解体工事の費用が高くつく3つの理由

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自宅の建て替えや土地活用のために建物を壊す際は解体工事が必要になります。解体工事は多くの場合専門の解体業者に工事を依頼します。しかしその費用は新築ローンなどに組み込むことができないため、別途用意する必要があります。壊すだけだからと言って費用が安いわけではありません。特に東京で解体工事を行う場合は、他県や他の地域よりも費用が高くつきます。全国の中で解体費用が一番高いのは関東地方です。そして、その中で東京都は一番解体費用が高い都道府県です。具体的に解体工事の基本的な費用を表す坪単価(木造家屋)の相場を比べてみると、熊本県が2.4万円から3万円であるのに対し、東京都は3.6万円から4.4万円となっています。ではなぜ東京都は他の地域に比べて解体費用が高くなるのでしょうか。

東京都が持つ特徴によって費用が高くなる

東京都で行う解体工事の費用が高くつく理由としては、東京都が持ついくつかの特徴が挙げられます。では、解体費用が高くなる東京都の特徴にはどのようなものがあるのでしょうか。ここでは3つの特徴をご紹介します。費用が高くつく理由を知っておけば解体を行う際に費用を安く抑えられる可能性もあります。東京都内にある建物の解体を検討しているのであれば知っておいて損はないでしょう。

1.人件費が高いから

解体費用の内訳の一つに人件費があります。人件費は解体を行う職人の方や解体業者の担当者などに支払う賃金になります。東京都で解体を行う場合は人件費が他の地域よりも高くつきます。賃金の目安である最低賃金を比べると、全国平均時給901円に対し、東京都は時給1,013円となっており100円以上の差があります。また、同じような面積の建物を解体する場合でも、他の地域での解体工事より東京で行う解体工事のほうが、必要な作業人数が増加する可能性があります。(詳細は後述)人数が増えるとその分人件費も上がります。出来る限り少ない人数で安全かつ効率よく工事を行ってもらうために、事前の打ち合わせや現場調査などを丁寧に行っておくことで対策できる可能性があります。

2.産業廃棄物の処理費用が高いから

解体工事をする際は必ず詳細は廃棄しなければならない木くずや石などが出てきます。これらは産業廃棄物と呼ばれています。産業廃棄物とは事業活動に伴って生じた廃棄物のうち、廃棄物処理法で規定された20種類のものを言いいます。具体的には燃え殻や汚泥、廃油や廃酸、廃アルカリや廃プラスチック類などです。これらを処理するためには費用がかかります。その費用は処理する量によって上下しますが、量だけでなく地域ごとにも上下します。東京都は他の地域と比べて1トンあたり約2,000円ほど高くなっています。悪質な解体業者だと、産業廃棄物を不法投棄したり、分別をせずに処理しようとしたりするケースがあります。その分費用を安くしてくれたりもしますが、見逃せば法律違反になり依頼主も罰則受ける可能性があります。そのようなことがあれば必ず解体業者や地域の窓口に相談しましょう。

3.工期が長めで作業人数が多くなりやすいから

東京都の中でも特に都心部は建物が密集していることが多いです。また、繁華街以外でも細い路地や小さめの家が隙間なく並んでいる光景は、都内といえど珍しくはないでしょう。小さい土地を有効に使用するためという点では効果的な建築方法ですが、建物が密集してしまうという特徴も解体費用に影響します。解体対象の建物周辺に建物が密集していたり、家屋の前の路地が細かったりすると、解体用の重機を搬入できないことがあります。その場合、手作業での解体(手壊し)になるのですが、手壊しは手間がかかるため、重機を使った解体よりも時間がかかります。時間がかかると最悪の場合工期の延長などにつながり、追加で料金を支払わなければならなくなります。
また、隣の建物との距離があまりにも近いと、作業方法や作業可能な時間帯に制限が出てくる場合があります。効率の悪い作業方法しか取れない状況だと、その分工期が延びて費用がかさむ可能性があります。

まとめ

今回は東京都で解体工事の費用がかさんでしまう理由を3つお伝えしました。東京都は人件費と産業廃棄物の処理費用が高いため、最終的に支払う金額が比較的高くなります。また、建物が密集している地域や狭い路地なども多いため、重機の搬入ができず手壊しになったりと、作業効率が落ちてしまいます。以上の特徴から、最終的な解体費用が他の地域よりも高くなることが多いです。ただし、東京都内の解体業者はこれを見越して対策をとって作業を行ってくれるところもあります。解体作業の選定時に詳しく話を聞くと良いでしょう。しかし、いくら費用が抑えられるからといっても、人命を脅かすようなことはしてはいけません。作業員や近隣住民の方々、そして自分の命を第一に考えた上で費用や作業方法について検討していきましょう。