解体工事施工技士について学ぶ
解体工事を行う際に必要となることがある「解体工事施工技士」という資格をご存じでしょうか。
数年前まで、「解体工事」は「とび・土工」の一部として扱われていましたが、近年では切り離された別のものとして扱われています。以前は木造の建造物がほとんどであったのに対し、現在は鉄筋コンクリートや鉄骨鉄筋コンクリート、鉄骨造またはそれらを複合した建造物が増えるなど、解体工事自体が大型化し、そして同時に複雑になりつつあります。そのため解体工事は1つの産業として取扱かわれはじめ、また一層しっかり管理することが求められてきています。
この資格は、国土交通省により管轄されている国家資格であり、500万円以下の解体工事を行う際の解体工事業の登録、また施工の際に必須となることがある技術管理者となるための資格です。
現在解体工事を行っている人も、解体工事ではなく土木工事を行っている人も、今後必要となってくる可能性がありますので、この記事を読んで今のうちに是非勉強してみてください。
解体工事とは?
まずは、解体工事とはどのような内容を指すものなのかを説明していきたいと思います。
解体工事とは、文字通り、建造物の取り壊し工事のことを指し、建物の建て替えや新築の工事をする際に、元々あった建造物を取り壊し撤去することをいいます。
日本の高度経済成長期(1960年代~1970年代)には多くの建造物が建てられましたが、その建物の多くが50年以上という歳月を経過して老朽化を迎えているため、壊して新しくしなければならない建物が、数えきれないくらいあるというのが現状です。
解体工事施工技士とは?
それでは、解体工事施工技士とはどういったものなのかについて学んでいきましょう。
まず、この資格は、解体工事を行う際に絶対必要な資格というわけではありません。
現在では、「公共物件の解体工事」を行う際に配置技術者として発注者の方からの指定があった時に必要となることを押さえておきましょう。
例えば、道路や橋、下水道等の土木工事では、「1級・2級土木施工管理技士」や、1級・2級建築施工管理技士」を持った選任技術者の配置が義務づけられるケースがあるのと同様に、解体工事も現場全体を管理できる「解体施工技師」の配置が必要となってくる場合があります。
ただし、民間の木造住宅や公共の工事であっても、規模が小さい案件に関しては、「解体施工管理技士」の配置は義務付けられていません。
「解体工事施工技士」の主な仕事内容としては、「解体工事における見積もりの作成」、「解体工事現場に出向いての現場調査」、「工事現場の管理」、「品質・安全・工程・原価管理などの施工全般の管理」等といった幅広い仕事内容があり、また解体工事の件数の増加に伴い、
現在需要がかなり高まってきている仕事といえます。
資格取得の難易度は?
この「解体施工技士」の取得試験は、他の資格に比べて比較的受かりやすい試験であると思います。過去の合格率を見てみると、平均で56.4%(全国解体工事業団体連合会より)の人が合格しており、受験者数の半分以上が合格しています。
ただし、「解体施工技士」の取得には、試験に加えて実務経験も必要となり、また学歴により年数が異なってくるため、自分に必要な実務経験年数をしっかり確認した上で、試験の対策も行っていって下さい。
まとめ
皆様お分かり頂けましたでしょうか。
今の時代は資格の時代であり、長年の経験と資格の有無で、仕事の幅が大幅に広がっていくといえます。
「解体工事」においても、今後益々高レベルの管理体制が必要となってくるため、「解体工事施工技士」の早期取得を目指しましょう。